“This is monk’s beat !” 『大師山寺 焼八千枚護摩供』
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奈良県は吉野、大和上市にある大師山寺。
毎年、4月20日に行われる焼八千枚不動護摩供は今年で18回目を迎えました。
平素から家族でとてもお世話になり、姪っ子のはるねのこともとっても可愛がってくださる大塚住職は、いつも笑顔でどんなことにも「ええで、ええで」とお話しを聞いてくださいます。その心の広さはまるで海のようでもあり、山のようでもあるのです。
約10日間、不動護摩供秘法を二十一座、その間、十穀断ち、塩断ち、お茶断ち、
七日間の断食、不動真言を十万遍、結願の一座に護摩木を一万一千本焚き上げ、
修行、祈念してくださるご修行。
「みなさんの願いを叶えたくて。」
15キロあまり痩せられたご住職が結願されたあとに言葉にされた一言。
みんなの願いがあるから祈らせていただけます、そう話されるご住職の言葉の重み。
般若心経、不動真言を集われるお坊さまと共に一心に唱え、
燃立つ炎の前で、護摩を焚かれる住職の姿を見ると、なぜか毎年涙が溢れます。
「先生、がんばって、がんばってください。」
と、この言葉は違うのかもしれないけど、でもやっぱりそういう思いが湧き上がる。
そして、なぜだかわからないけれど、自然に涙が溢れていくのです。
大きな声を出し、お経をあげる。
みんなの声が重なってゆく。
どれが自身の声で、どれが誰の声かわからないような感覚になっていく。
おおきなおおきな「たま」のようなエネルギーがひとつの声となり生まれていく。
今年はちょうどこのとき、わたしのとても大切な血の繋がらないけれど親戚である大切な方が
深い悲しみの中にあることを聞いていました。
その悲しみの中でも気丈に日々を過ごされているその方に、
わたしたちにできることは何だろうと家族みんなが思っていました。
今は、どのような言葉も違うような気がして、わたしたちはただそっと、ここで静かに祈っていようと話していたのです。
炎を見つめながら、わたしたちは祈った。
言葉にできず、声にならなくても、この祈りがこの空気中に満ち満ちて、
少しでも心が癒されますように、ゆっくりとゆっくりと元気になられますように、と。
祈りも、願いも、目には見えない。
でも、このとき感じたものものは確かに存在する。
その波動はあまねく一切に通じていくことを信じることができる。
それでいいんだ、とお不動さまとご住職と、燃え上がる炎がわたしを包んでくれました。
目には見えなくても、聞こえなくても、触れられなくても。。
たしかに感じたあの「波動」。
毎年、ご家族で千葉のあわの国からやってくる録音エンジニアの山口泰さんが、
ご真言を一心に唱える中、トランスのような状態になられ思わず録音機をまわされ、
それはまるで、宇宙スピリットと共振するような時空であった、とその時の音を送ってくださいました。
ヤスさんは、プロ中のプロの録音エンジニアですが、
音を録る人、というのとは少し違うような感覚がわたしにはあります。
そこにある「空気」や「波動」を感じられ、とても丁寧に転写され、
そしてヤスさんという人を通し、
そのバイブレーションをまた宇宙に放っていく、という感じなのです。
ヤスさんの録る音は、その場にいた者はまるで、もう一度そこにいるような感覚にし、
そこを知らないものには、そこへと誘い、その地を感じさせてくれます。
そしてそこは、どこでもあり、どこでもない、おなじ源のような世界を見せてくれる。
それはヤスさんの平素から感じ、表現している「愛」の世界なのだと思います。
ヤスさんから、何か言葉を、、と言っていただいて、
わたしも感じていることをそのままに書かせていただくことができました。
みんなのために祈ってくださる人のあるありがたさに、
そして、ここで共に祈らせていただけたありがたさに、
わたしはいつも心がいっぱいになります。
この涙はどこからくるのだろう、と思う毎年の涙。
きっとそれは、宇宙あまねく一切を照らす愛のようなものを感じているのではないかと思うのです。
国や、宗教、宗派に関わらず、人が祈り、信じるこころの尊さ、美しさ。
その源の一切はおなじものから、おなじところからきているような気がしています。
宇宙の中に存在する、わたしたちを生かしてくれる地球を感じるひととき。
すべての命はつながっている。
きっとわたしたちのまわりに普段から満ち満ちているその愛を、毎年ご住職の並並ならぬご修行のおかげでより深く、鮮明に感じさせていただけるひとときを持たせていただいているのだと、とてもとてもありがたく思います。
今年はまた大切な友人が何人かはじめてお参りにきてくれて、共に感じることができて、
そのこともとてもしあわせでした。
ご住職はじめ、ヤスさん、皆さん、本当にありがとうございました。
生きとし生けるもの、みんなが健やかに豊かに楽しく毎日を過ごせることを祈念して。
心からの感謝とともに。
合唱。
文 わたなべなおか(hoshifune)
Apr 28, 2023 | Category: moviepeace vibration